1/3サイズのアイホールドールヘッドに彩色メイク

入れ目ヘッド 彩色メイク方法

ソフビヘッドを最初に手にして、メイクをしてあげる場合に何を使ったらいいのか分からない方、簡単です。アクリル絵具と筆と水、
油分を含まないパステル(画材店で手に入ります)、それだけですぐに始められます。
完成したら表面に皮膜を作って落ちないように保護するために、トップコート(模型屋さんで手に入ります)を吹いてあげれば完成です。
アニメ彩色顔と違って、入れ目ヘッド(ドールアイタイプ)は簡単ななメイクでオリジナルドールが直ぐに作れます。
また、アイホールの縁を削って形を変えたり、口元を削ってみたりすると、顔の造形もオリジナルに変わります。

第10回創作ドールコンテスト優秀賞受賞の「周防」さんに、グレーテルヘッドのメイク方法をご伝授いただきました。
キャスト製のドールヘッドはこれまでに何個もカスタムメイクされていたそうですが、ソフビ製ヘッドは最近始めたばかりだそうです。でもキャストもソフビも同じアクリル樹脂なので道具はそのまま使えます。表面が柔らかい、色味が人体に近いなどの理由でソフビヘッドのカスタムにはまってしまったそうです。
周防さんの作品はこの頁最下段に紹介してあります。

1.Mr.カラー薄め液(弱いシンナー)でヘッドを拭きます。(絵具をはじかないように防止するために使われています。)
2.使うのはアクリル絵具暖色系と黒の数本です。
アクリル絵具は水で溶きます。
3.まず最初に上瞼を塗ります。塗る範囲はアイホールの縁の内側(この上に後からアイラッシュを貼り付けます)まで塗ること。広めに塗るとパッチリアイ、狭めだとおだやかな表情になります。
4.使う筆は3種類だけです。絵具が途切れてしまうのであまり小さくて細すぎる筆は使いません。
5.目頭はアイラッシュを貼る部分までです。目頭ぎりぎりまで塗る場合はアニメチックなアイやきつい感じにしたい場合です。
筆の先端じゃなく腹の部分で塗る感じです。
6.目頭、目尻は筆をすっと抜くように引きます。
二重瞼にしたい場合は、白絵具で少し薄めた茶を作って下が乾いてから塗り重ねます。(ここでは二重瞼は描きません)
7.下睫を描きます。茶色に水を垂らしておきます。
右利きの人は右目から(描きにくい方を先に描くと後からの分を合わせやすく描きやすくなります。)
筆には絵具をたっぷり取って、水気をティッシュできって、
2mm間隔ぐらいで睫を引いていきます。
8筆の絵具に水気が多いと綺麗な線が描けません。描くというより筆先を置いていく感じです。最初に全部描きこまないで、次に左目に移ります。
9.右目と左目を一通り描いたら目尻を上げるか下げるかを考えます。上のラインと下睫のラインの混じる部分です。
10.一通り描いた下睫の間に短い下睫を更に描いていきます。最初の長い睫に交差させたり平行に描いたり個性で違いが出る部分です。
11.下睫は目尻の方が中心です。目頭寄りにはあまり描きません。目尻側の線は少しずつ長くなります。
12.アイホールの内側は上瞼にはアイラッシュが重なりますが、下にはアイラッシュは付けないので、下瞼の縁にも色をつけます。
13.筆の腹で色をつけます。濃い色でもピンクっぽい薄い色でも睫の色にあわせて使い分けてみましょう。ここでは濃い茶色です。
14.眉毛は当たりが一番難しいです。右利きの人は右眉から描きましょう。薄い色(水で薄めて)であたりを取ります。失敗してもやり直せば大丈夫です。
15.水に溶けるタイプの水彩色鉛筆とかいろいろ工夫してみましょう。
16.眉毛は顔の表情にかなり影響します。
17.右眉の形を決めたら左眉を慎重にあわせていきます。
18.薄く取ったあたりの上を少し濃くした茶でなぞるように色を重ねていきます。細かい線を1本1本足すように。
19.目尻を下げたので眉毛も少し下げ目の優しい感じにしました。
20.続けてリップを塗ります。
21.薄いピンク(お好みの薄めの色)で全体を塗ります。
なるべく薄めにして塗り重ねると綺麗です。
22.口元にポイントの茶を置きます。塗らない方法もあります(造形どおりの表情)。濃過ぎるとやりすぎです。ティッシュに水をつけて軽くふき取ると自然なポイントになります。
23.唇の感じを出すために縦線をつけます。
赤い線を塗る方法と白線を塗る方法とあります。
24.白のたて線を塗っています(初級者向きです)。
25.口紅の色は好みです。ここでは薄めです。
26.白い紙を用意してパステルを削ります。専用の道具がなくてもカッターで削ったりして粉を用意します。
27.唇にパステルを置いています。
(上段の絵具の方法と違って、唇をパステルだけで塗る方法もあります。)
(別のヘッドのパステル見本)
28.下瞼の縁にもピンクをおきます。ぼかした感じが出ます。
29.上瞼には他の色をいろいろ足してみます。
30.アイの周りにもパステルをつけました。あまりやりすぎると変にぼけた感じになります。
31.眉毛の周りに陰影を付けています。
31.眉毛を濃くしたい場合も濃い目のパステルを上から重ねていきます。
32.チークの準備です。コットンにつけます。
33.手の甲でなじませています。
34.軽くほほにのせていきます。チークはのせる位置で印象が変わります。ほほから耳にかけてのせると大人っぽく、ほほより上、目元にのせると色っぽくなります。1色だけでなく何色か重ねたり、陰影を出したりしてみましょう。
(グレーテルヘッドはチークをほほに着けると少女顔に、付けないとボーイッシュな顔になります。チークは小顔に見せるポイントのようです。)
35.下睫にもパステルで陰影を付けています。付けすぎないように注意。
36.瞼に仕上げのピンクを足しています。
36.唇の下や顎にも足していきます。
37.口紅が薄く感じたので仕上げにピンクを更に足しました。
38.完成です。
39.続けてアイラッシュをつけます。
40.アイラッシュのサイズを目の輪郭の幅に切って合わせます。少し縁を切り取って短めに。
41.アイホールの縁にプラスチック用の接着剤を付けておきます。速乾性じゃない普通の接着剤で、少し乾いた感じになったら、作業を進めます。
42.ピンセットとか爪楊枝とか細いものを利用して位置をあわせて重ねます。
43.目尻の方を眺めに端まで合わせて、目頭の方にはやや短めで目頭一杯つけないことがコツです。目頭はやや奥の位置で接着すれば睫の長さが自然になります。
44.左目にアイラッシュがついた状態です。目尻が長く目頭部分は短めで先端までついていません。
45.同様に右目もつけます。
46.艶だしにタミヤのクリヤーをおきます。
艶出ししたい部分だけに付けてください。
完成です。
(ちょっと変えたメイクのパターンです。)
仕上げにトップコートを拭いておきます。
アンジェラのメイク見本です。
周防さんの作品です。